いつも笑顔を絶やさず、明るい村上緑さんですが、実は10年程前に交通事故に遭い、足に不自由さが残るほどの大怪我をしました。 23年間続けてきた理容店を閉め療養に専念していた頃、「妹がパワーストーンのブレスレットをプレゼントしてくれたのです」。 村上さんは、その優しい心づかいと石のパワーに大いに励まされたといいます。 ちょうどビーズアクセサリー制作の勉強をしていた村上さん、パワーストーンでアクセサリーを作り、友人にプレゼントしては喜ばれるようになりました。

しかし、2011年3月の震災で、村上さんは仕事場にしていた実家が津波の被害に遭い、さらに震災後のストレスのためお母様が亡くなるという大変つらい経験をしました。 その暗く沈んだ気持ちから立ち直るきっかけをつくってくれたのは、神奈川からボランティアに駆けつけた大学生たちのひたむきな姿でした。 10日間にわたり一生懸命片付け作業に取り組んだ彼らに何かお礼がしたいと考えた村上さんは、ガレキの中に残っていたパワーストーンを見つけ出し、 ブレスレットを作ってプレゼントしました。

そんな中、気仙沼のNPO法人ネットワークオレンジさんの勧めで、村上さんは「共に創ろう！東北マルシェ」に参加。 起業のノウハウを学び実際に出店してみたことで、自分の趣味であったパワーストーンが多くの人に喜びを与えることができると実感。 国の復興基金のコンペで支援事業として認められ、パワーストーンのお店をオープンすることになりました。 村上さんに店舗スペースを提供してくれたのは、同じコンペに応募した仲間です。 お店に来たお客様が帰る頃には100％笑顔になれる、そんなお店をこれからも続けていきたいと語る村上さんです。